日に日に暖かさが増し、春の訪れをやっと感じられるようになりましたが、ファッション業界は既に2019-20秋冬コレクションが終了。
2018年に有名ブランドのデザイナーの交代・解任劇が相次いだため、2019年のコレクションは新しいクリエイティブ・ディレクターによるファーストコレクションが話題になりました。
そこで、ニューヨークを皮切りにロンドン、ミラノ、パリで1ヶ月に渡って続くモードの祭典から、世界のファッショニスタが注目するミラノコレクションのトピックをご紹介。
王道の人気ブランドはもちろん、注目の新ブランド、コラボブランド、会場を沸かせた日本人デザイナーのブランドまで、見逃せない話題が満載です!
老舗ブランドのミラノコレクション
【GUCCI(グッチ)】
ミラノコレクションの開幕を飾ったGUCCIは、クリエイティブ・ディレクターAlessandro Michele(アレッサンドロ・ミケーレ)による、グッチ本社・Gucci Hubで行われた「仮面」を用いたコレクションが話題。
多くのモデルの顔を仮面やマスクで覆ったインパクトの強いビジュアルだけでなく、パターンの異なるレースを掛け合わせるなど、幻想的な世界観が注目を集めました。
【PRADA(プラダ)】
フランケンシュタインから着想を得たPRADAの今コレクションのテーマは「ロマンスの解剖」。
会場には電球が規則的に並んだステージが備えられ、社会に馴染むことができない自由を渇望するフランケンシュタインをイメージ。
ミリタリージャケットにエレガントなレースのスカートを合わせるなど、二面性を打ち出したコレクションが話題です。
【BOTTEGA VENETA(ボッテガ ヴェネタ)】
新クリエイティブ・ディレクター「ダニエル・リー」によるお披露目コレクションが話題をさらったBOTTEGA VENETA。
「自由、自己表現、センシュアリティへのセレブレーション」といったコレクションのキーワードにふさわしい、アルコ・デラ・パーチェ(平和の門)の広場に設営された開放的なステージが話題を集めました。
イントレチャート用いたディティールや、ミリタリー系のアイテムなど、メンズ要素がありつつもエレガントにまとめたコレクションが人気です。
【FENDI(フェンディ)】
カール・ラガーフェルドの最後のコレクションとなったFENDIは、献身とクリエーションを表現。
ジジ&ベラ・ハディッドやリンジー・ウィクソンなどカールのお気に入りのモデルがキャットウォークを歩き、ショーの最後にシルヴィア・フェンディが涙を流しながら挨拶をするなど、エモーショナルなショーが感動を呼びました。
新たなスタートを切った話題のブランド
【MARCO ZANINI(マルコ ザニーニ)】
人気ブランドROCHAS(ロシャス)やSCHIAPARELLI(スキャパレリ)でクリエイティブディレークターを務めた、スウェーデンとイタリアの血を引くMarco Zaniniが手掛けた新ブランドがデビュー。
実用性と美しさを兼ね備えたコレクションがミラノコレクションで発表され一躍話題になり、ファッショニスタの心を掴みました。
【MONCLER GENIUS(モンクレール ジーニアス)】
MONCLER(モンクレール)が新たなコラボレーターを迎えたMONCLER GENIUSの第3弾が、ミラノコレクションに登場。
今回のコラボレーターは、母国エチオピアで自身のファッションブランド「Lemlem」を運営するスーパーモデルのリヤケベデのほか、イギリスの奇才リチャード・クイン、アメリカ人デザイナーのマシュー・ウィリアムスなど。
全シーズンにコレクションの発表を見送ったMONCLERだけに、話題性も注目度も抜群!
【VERSACE(ヴェルサーチ)】
昨年末マイケル・コース社(現カプリ社)に買収され、グループ傘下になって初めてメインコレクションを発表したVERSACE。
ブランドの新たな章の幕開けとなった今シーズン、Shalom Harlow(シャーロム ハーロウ)が務めた最初のルックは、トレンチコートスタイル。
ラグジュアリーとグランジテイストが融合したコレクションが注目を集め、ランウェイ上に設置されたブランドのアイコンドレスを連想させる巨大な安全ピンのオブジェも話題になりました。
【UNITED COLORS OF BENETTON.(ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン)】
人気ブランドUNITED COLORS OF BENETTON.が、ミラノコレクションで初のランウェイショーデビュー。
アーティスティック・ディレクターは、2018年10月に就任したばかりのJean-Charles de Castelbajac(ジャン・シャルル・ドゥ・カステルバジャック)。
ブランドの真骨頂であるカラフルな色彩がミラノコレクションに華を添えました。
日本人デザイナーブランド
【HARUNOBUMURATA(ハルノブムラタ)】
JIL SANDER(ジル・サンダー)出身の日本人デザイナー村田晴信が手掛ける新ブランドが、ミラノファッションウィーク公式スケジュール上にてプレゼンテーション形式でデビュー。
「姿勢」にフォーカスをあてたコレクションの目玉は、イタリアの職人が手縫いで仕上げたダブルフェイス仕立てのコート。
デザイナーがバックグラウンドに持つ日本とイタリア両国の美意識と文化を融合したラインアップが注目を集めました。
【Chika Kisada(チカ キサダ)】
2019年春夏コレクションに次ぐ2度目の登場となるChika Kisada。
チュチュを重ねた繊細なドレスや優雅に揺れるAラインシルエットなど、ブランドの背景にあるバレエを元にした繊細なエレガンスにパイソン柄やチェーンアクセサリーなどのパンキッシュなモチーフをプラスした女性らしさと強さが共存するスタイルが話題に。
まとめ
新クリエイティブ・ディレークターのお披露目や、新コラボブランドの発表など、新時代の幕開けとなったミラノコレクションですが、最大のトピックは、コレクション初日に飛び込んできたカール・ラガーフェルドの逝去です。
1965年から50年以上にわたってFENDIのクリエイションに貢献し、ファッション業界に大きな功績を残しました。
FENDIのショーのフィナーレでは、全モデルが登場した後に会場が暗転。
カール・ラガーフェルドがスケッチをする様子や、FENDIで初めて仕事をスタートさせた日を自ら振り返るメモリアル映像を上映。
感傷に浸りながらスタートしたファッションウィークですが、様々なブランドの華やかなコレクションがミラノの街を彩り大成功を収めました。