これまでの“カロリー制限”を覆したともいえる“糖質制限”は、
ここ数年、“ダイエット”と言えばスタンダードなキーワードになっています。
ところで、正しい糖質ダイエットをきちんと理解されている方は
どれほどいるでしょうか?
ダイエットだけではなく、
健康管理としても一度はチェックしておきたい糖質コントロールです!
今回は“糖質ダイエット”についてみていきましょう。
糖質制限の基礎知識
❖“糖質”って何?
糖質とはなにかご存知ですか?
いわゆる三大栄養素とは、炭水化物、タンパク質、脂質から成り立ちますが、
“糖質”は炭水化物の一部です。
そして炭水化物は、消化吸収できる“糖質”と、
消化できない“食物繊維”の二つから成り立っています。
“糖質”の主な役割は、重要なエネルギー源の一つになることと、
脳や神経の活動を左右するエネルギー源となることです。
ここで抑えていただきたいのが、「糖質が太る原因だ」といわれる理由は、
糖質そのものにあるのではなく、“摂り過ぎ”による結果というところです。
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炭水化物=糖質+食物繊維
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❖“糖質”が太る原因として注目される理由
炭水化物を食べると血糖値が上昇するのですが、
上昇する原因となる要素は、糖質(=炭水化物-食物繊維)だけなのです。
血糖値が上がると、それを下げようとする“インスリン”が分泌されます。
“インスリン”には余分な糖質を脂肪として体に蓄積する作用があります。
そのため、過剰な“糖質”を摂取した場合、
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インスリンが分泌 →糖質が脂肪に変換され体に蓄積 →太る!!
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という構図になります。
そこで、
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糖質を控える →インスリンの追加分泌を抑制 →太るロジックを制御!!
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という構図を創ろうということです。
❖“糖質”以外はたくさん食べてもいいのか?
“糖質ダイエット”の理論では、
インスリンの分泌(糖質を脂肪に変える要素)を抑えることが目的のため、
それ以外の栄養素を制限する必要はありません。
つまり、【血糖値上昇→インスリン分泌】と関係のない要素については、
カロリーを気にせずにたっぷりと摂ることができます。
分量制限のないダイエット法であり、我慢やストレスがたまりにくいということです。
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【摂取して良い要素】
・脂質・
・食物繊維
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❖炭水化物の一日の摂取量
ところで炭水化物の一日の摂取量はどれほどか?
明確には定まっていないようですが、
日本人の食事摂取基準では
総摂取カロリーの50~65%が炭水化物であるとされています。
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【日本人の炭水化物摂取基準】
総摂取カロリーの50~65%
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“セカンドミール効果”の活用
❖最初にとる食事は、次にとる食事の血糖上昇にまで影響!
セカンドミール効果とは、最初にとる食事(ファーストミール)が、
次にとった食事(セカンドミール)の血糖値にも影響をおよぼすことです。
では、血糖値の上昇を抑えるためには、
ファーストミールでどんなものを食べたらよいのか?
主に繊維の多いマメ科植物(大豆など)を
含む食事による効果が大きいと確認されています。
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【効果の大きい食事】
主に繊維の多いマメ科植物(大豆など)を含む食事
【効果内容】
・炭水化物の消化・吸収を遅らせ、食後の血糖の上昇を抑える
┗糖質分解要素であるインスリン分泌を抑制できる
┗すると、【糖質が脂肪に変換→体に蓄積】を軽減できる
・次の食事による血糖コントロールを改善する
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❖低GI食を食べると、満腹感が持続!
マメ科植物(大豆など)を含む食事が“セカンドミール効果”を発揮するの共に、
さらに“満腹感”での効果も発揮してくれるのが“大豆焼菓子”です。
小腸下部に達した糖分と食物繊維により、
血糖値の低下や食欲を調節するホルモンが分泌され、
満腹感の持続効果があるそうです。
空腹感から間食に手がのびてしまう方にはおすすめの“一石二鳥おやつ”です。
低糖質食品のまとめ
代表的な低糖質食品をピックアップしてみました。
❖【肉類】
┗牛・豚・鶏・ハム・ベーコン・ソーセージ
❖【魚類】
┗あじ・マグロ・シラス・アサリ・牡蠣・エビ・イカ・タコ・かまぼこ
❖【乳製品類】
┗プロセスチーズ・ナチュラルチーズ・カマンベールチーズ
❖【野菜類】
┗キャベツ・レタス・ブロッコリー・白菜・きゅうり・大根・なす・大豆もやし・枝豆・しめじ・にんにく
❖【果物類】
┗アボガド・レモン・ブルーベリー・梅干し(ハチミツ漬けではないもの)
❖【調味料】
┗濃い口しょうゆ・豆味噌
❖【オイル】
┗オリーブオイル・アマニ油・サラダ油・無塩バター
❖【缶詰】
┗サバ水煮缶・いわし缶詰(油漬)・まぐろツナ缶(油漬)
❖【その他】
┗たまご・アーモンド(無塩)・煎りごま・豆腐・油揚げ・納豆
控えたい高糖質食材
高糖質食材をざっとピックアップしてみました。
以外に気づかなかった食材もありますよね。
ミニ知識としてご参考にしてください。
┗カレーライス・牛丼・稲荷ずし
※玄米・シリアルは食物繊維が豊富なのは良いが、
糖質量は白米とほとんど変わらない
※バランス栄養食も糖質が多い
❖【パン類】
┗食パン・フランスパン・ロールパン・クロワッサン・ベーグル
※全粒粉パンは、糖質の高い胚芽を含んだ小麦粉(表皮、胚芽、胚乳)なので、
低糖質のパンではない
※ブランパンは、低糖質の表皮だけを使っているので低糖質のパン
❖【麺類】
┗かけうどん・かけそば・ラーメン・焼きそば・スパゲティ・春雨
※基本的に全てNG
※「そば湯」には糖質がタップリ!
❖【インスタント食品】
❖【菓子類】
┗ケーキ・大福・アイスクリーム・チョコレート・クッキー
ゼリー・ポテトチップス・煎餅
❖【野菜】
┗じゃがいも・長芋・さつま芋・かぼちゃ・ごぼう・レンコン
玉ねぎ・とうもろこし・トマト・赤ピーマン
※ピーマンは色により糖質量が大きく異なる
※根菜の中でも人参は糖質が低め
❖【果物】
┗バナナ・りんご・グレープフルーツ・柿・ぶどう・桃・梨・洋ナシ
キウイ・干し柿・干しブドウ・プルーン
※アボガド、レモン、ブルーベリーはOK
※梅干しはOKだが、ハチミツ漬けの甘い梅干しはNG
❖【調味料】
┗ドレッシング・中農ソース・白だし・めんつゆ・ケチャップ・カレールウ・固形コンソメ・本みりん
❖【魚介類】
┗鰻蒲焼・焼きちくわ・さつま揚げ・魚肉ソーセージ・はんぺん
❖【缶詰】
┗さばの味噌煮・いわし缶詰
❖【冷凍食品】
┗冷凍ぎょうざ・クリームコロッケ(フライ用)・冷凍エビフライ(フライ用)
❖【乳製品】
┗牛乳・ヨーグルト
いかがでしたか?
“糖質制限ダイエット”は、
食べる量を制限されないところがとても良いように思います。
特に肉をモリモリと食べられることは嬉しいですよね!