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今こそ知りたい!グループサウンズ(GS)映画の音楽とファッション

今こそ知りたい!グループサウンズ(GS)映画の音楽とファッション

みなさんは、1960年代後半に日本で一大ブームとなった、グループサウンズをご存知ですか?
ビートルズの来日の影響により、2年ほどの短い期間にバンド形式のグループが続々とデビューし、グループサウンズブームが巻き起こりました。
昭和元禄と呼ばれたこの時代の若者たちは、サイケデリックでカラフルな洋服を身にまとい、彼らのパフォーマンスに熱狂したのです。
いまだにさまざまな年齢層から愛され、海外でもガレージロック(ガレージパンク)の位置づけで、根強い人気を持っています。
そんなグループサウンズの軌跡と映画を振り返りながら、ファッションについても触れていきたいと思います。

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グループサウンズ(GS)とは?

それではまず、日本中の若者を夢中にさせた、グループサウンズの成り立ちと変遷、ファッションについてお伝えしていこうと思います。

グループサウンズの変遷

東京オリンピックから一年経った1965年から、日本はいざなぎ景気と呼ばれる好景気となり、昭和元禄と呼ばれました。
ちょうどその頃、ベンチャーズが再来日を果たし、エレキギターブームが起こりました。

「想い出の渚」でデビューし、エレキギターと歌謡の組み合わせを確立した、加瀬邦彦率いるザ・ワイルド・ワンズ、「フリフリ」でデビューし、多くの功績を残したザ・スパイダーズなど、続々とこのブームとともに人気を博しました。
若大将シリーズの映画に出演していた加山雄三も、「エレキの若大将」で自作の曲を演奏し、エレキブームの人気を不動のものとしました。

さらに、1966年(昭和41年)のビートルズの来日公演の影響で、日本中が盛り上がり、この流れで自らが楽器を演奏して歌う、バンド形式のグループの人気が一気に加速しました。

ジュリーこと沢田研二がボーカルを担当した、ザ・タイガースショーケンこと萩原健一がボーカルのザ・テンプターズ、失神バンドとして有名なオックスなどのグループが続々とデビューしました。
彼らはアイドルのような存在となり、中高生を中心に人気を博しました。

これらのグループは、ゴーゴー喫茶やジャズ喫茶を中心に演奏し、グループサウンズ (GS)と呼ばれ、1967年(昭和42年)頃から一大ブームとなりました。

 

演奏した曲は、オリジナルから洋楽カバーまでさまざまです。
そして、有楽町にあった日本劇場で開催された日劇エスタンカーニバルという音楽フェスティバルに出演し、黄色い歓声を浴びました。

この流れで、個性に合わせたスーツスタイルや、ヒッピースタイルなど、さまざまな衣装をまとい、100以上のグループがデビューしました。

サイケデリックな音楽からスタートしたザ・モップス、横浜出身でR&Bを中心に演奏した本格派、ザ・ゴールデンカップス、キーボード中心のザ・ハプニングスフォーなど、アイドルとは別の路線を行くグループもありました。

「ブルーシャドウ」が大ヒットし、歌謡曲調の曲のブームのきっかけとなったジャッキー吉川とブルー・コメッツは、1967年(昭和42年)のレコード大賞を受賞し、紅白歌合戦にも出場しました。

このようなグループサウンズの人気は、1969年(昭和44年)頃まで続きました。
短い期間のブームでしたが、リアルタイムで体感した世代の人々だけでなく、この時代に憧れる若者が後を絶ちません。

 

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グループサウンズのファッション

グループサウンズの衣装は、現在も世界をまたにかけて活躍する有名デザイナーが手掛けたものも多く、コシノジュンコザ・タイガースザ・スパイダース、オックス、ザ・カーナビーツなどの衣装を担当しました。

当時は、「スウィンギング・ロンドン」と呼ばれる、イギリス発の若者文化が日本でも大ブームになっていました。
そこで、ビートルズが着ていたようなミリタリールックの衣装も取り入れられました。

また、ザ・タイガースの「モナリザの微笑」の中世の王子のような黒いベルベットの衣装は、六本木のイタリアンレストランの「キャンティ」の経営者でもあった川添梶子氏によるものだそうです。

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グループサウンズ(GS)映画をご紹介!

続いて、グループサウンズの魅力をダイレクトに伝えてくれる、映画を紹介したいと思います。
半世紀も前の映像とは思えない、おしゃれで楽しいシーンの数々に触れてみてください。

ザ・スパイダース にっぽん親不孝時代

「にっぽん親不孝時代」は、グループサウンズの礎を築いたザ・スパイダースの最期の映画主演作品です。
ザ・スパイダースのメンバーは、ミュージシャンとして、また社長として、解散後も数々の功績を残しました。

ストーリーは、盗んだ親の金で楽器を調達した5人の若者に、2人のフーテンも加わり、1億円の入ったバッグを手にすることになり、ギャングとの争奪戦が起こってしまうという奇想天外なものです。

スナックや海辺、公園やトレーラーの上など、さまざまな演奏シーンを見ることができます。
当時の若者が数多く登場し、サイケデリックな衣装やインテリアなど、カラフルで視覚的にも楽しめます。
ボーカルの堺正章と父である堺駿二の親子共演もあります。

この映画のヒロインは、星由里子です。
リボンで前髪を上げたボブカットは女性らしく、すっきりとしています。
パステルカラーのノーリーブの膝上丈ワンピース、ハイネックのシャツにミニスカートで清楚な装いです。
若大将シリーズのヒロインとしても有名なかわいらしさをぜひ堪能してください。

ザ・スパイダース MOVIE COLLECTION

ザ・タイガース 華やかなる招待

「華やかなる招待」は、「君だけに愛を」など多くのヒット曲を残したザ・タイガース主演第2作目の作品です。

ボーカルを務める当時20歳のジュリーこと沢田研二が、中性的な引き込まれる大きな瞳で圧倒的なスターのオーラを放っています。

タイガースのリーダーは、現在は演技派の俳優として活躍している岸部一徳(当時は岸部おさみ)です。
サリーという愛称で、ベースを務めています。
すらっと長身の華麗な姿をこの映画でも観ることができます。

この映画ではタイガースが、田舎に住む高校生のバンド少年に扮します。
隠れていた貨物列車が動き出してしまったことをきっかけに東京に上京してきた5人がドタバタしながらもデビューするというストーリーです。

タイガースがデビューするきっかけを作った内田裕也が登場したり、CMに出演していた明治のチョコレートのBGMが流れたりと遊び心が満載です。
また、60年代の東京の風景を楽しめます。

ショートカットの髪が印象的な久美かおり、そのルームメイト役でロングヘアーがかわいい小山ルミが、ヒロインとして華を添えています。

久美かおりはレッドのタータンチェックのセットアップ、ネイビーのミニのワンピースなど、この時代特有のファッションを着こなしています。

◆ザ・テンプターズ 涙のあとに微笑みを

「涙のあとに微笑みを」は、ザ・テンプターズの唯一の主演映画です。
ザ・テンプターズは、「エメラルドの伝説」で知られ、ショーケンこと萩原健一がボーカルを務めたことで有名なグループで、ザ・タイガースとアイドル的人気を二分していました。
ジュリーとショーケンは、解散後にPYGというロック・グループで活動し、70年代以降は、ソロで歌手として、俳優として大活躍しました。

この映画のストーリーは、曲の内容にエピソードを結びつけたような仕上がりになっています。

母の勤めるスーパーマーケットで働く健一は、自分の飼う鳩が病気になり、名医の紹介を条件に文化祭のモノマネ大会に出場し、ピンキーとキラーズの歌を歌い、優勝しました。
しかし、鳩は学園のボスに殺されてしまい、意気消沈してしまいました。
そこでスーパーの顧客の夫人の女中の美香による魔法でグループ・サウンズを誕生させるという、ユニークな展開となっています。

ガスタンクの前での演奏シーンや、ポップなスーパーマーケットの店内、スターハウスの団地の前での撮影など、この時代ならではの風景や色使いにはっとします。

ショーケンは、白いぴったりとしたリブタートルが細身の体に似合っていて、そこにベストやスカーフをプラスして歌うシーンもあります。
おとぼけな少年の姿を観られる貴重な作品です。
ヒロインは、聖ミカで、初々しく、清楚なかわいらしさで、西洋風の顔立ちです。
シャーベットブルーやピンクといった淡い色合いのトップスがよく合っています。

東宝GSエイジコレクション

◆進め!ジャガーズ  敵前上陸

「進め!ジャガーズ 敵前上陸」は、デビュー曲の「君に会いたい」が大ヒットした、ザ・ジャガーズの主演作品です。

ザ・ジャガーズは、ボーカルの岡本信の甘いマスクと声が魅力のグループです。

作家の小林信彦中原弓彦として脚本を手がけた、パロディ満載のドタバタなコメディです。
カルト映画としても、いまだに根強い人気を誇っています。

こちらもハプニングの連続のストーリーです。

金塊受取人と間違われた信は、国際的な金塊密輸団から追われて逃げ回ります。
横浜ドリームランドやサマーランドなどもその舞台になっています。

出演者が大変豪華な顔ぶれで、てんぷくトリオ伊東四朗笑点の司会者であった三遊亭円楽(5代目)、ひとりGSとしても有名な泉アキや青山ミチ若貴兄弟の母として知られる藤田憲子(現:紀子)も出演しています。

ミリタリールックが印象的なザ・ジャガーズですが、この映画でも多く着用しています。
ミリタリー服で有名な中田商店の看板が映画内にもさりげなく映ります。
ジャガーズだけに、ヒョウ柄の服をボーカルの岡本信が着ています。

ヒロインは和製ブリジット・バルドーとも呼ばれた中村晃子で、さっぱりと快活な女性を演じています。
長い黒髪とサイケデリックな衣装やウエスタン風の衣装やデニムとで独特の魅力があふれ、パンツスタイルも似合っています。

乙女でかわいらしい雰囲気の尾崎奈々も出演しています。
この映画においては、中村晃子の役柄と対照的な女性を演じています。

あの頃映画 松竹DVDコレクション

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いかがでしたでしょうか?
ここでご紹介したグループ・GS映画はほんの一部です。
ぜひ触れてみて、この時代特有の空気と音楽、ファッションを感じてみてください。
新たな世界が広がることは間違いありません!

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