東京の渋いビルでモーニング&ランチ ~有楽町編~
1960年代~70年代に建てられた「渋いビル」が、今ひそかなブームになっています。
そして有楽町駅周辺には、渋いビルを代表する3つのビルがいまもなお、現役で活躍しています。
そんなビルで長く愛される喫茶店では、昭和の雰囲気を味わいながら、モーニングやランチを楽しむことができます。
今回は、有楽町周辺の3つの渋いビルのおすすめのお店をご紹介いたします。
有楽町ビルヂング
有楽町ビルヂングは、1966年竣工のオフィスビルです。
地下5階・地上11階建となっており、オフィスや映画館、飲食店が入っています。
エントランスの階段ホールの民芸調の壁のタイルが美しく、目を引きます。
かつてこの地には、二つの映画館がありました。 オリオン座とスバル座です。
オリオン座は1946年(昭和21年)に閉館し、スバル座は1956年(昭和31年)に火災により消失しました。
しかしながらスバル座は、有楽町ビルヂング内で復活を果たしました。
ビルの中とは思えないほど広々とゆったりとしており、現在も多くの映画ファンを魅了しています。
ストーン
そんな歴史あるビルの一階にあるストーンは、竣工当時に創業した喫茶店です。
石材のショールームを兼ねていたため、御影石や大理石を使用した、重厚感のある内装となっています。
モノトーンのデザインで統一されており、モダンでクールな空間が広がっています。
インテリアデザイナーの剣持勇による椅子が長く愛用されていましたが、こちらは安全性を考慮して交換となったそうです。
年季の入った美しい石の壁や床を見ながら、静かな空間で落ち着いた朝のひとときを過ごせます。
こちらはモーニングのシナモントーストです。
ブレンドコーヒーとともにいただきます。
窓際に喫煙スペースもありますが、喫煙席も朝はゆとりがあるので、たばこの煙もさほど気になりません。
このお店の重厚感ある空間を存分に楽しんでみるのもいいのではないでしょうか?
ストーン
東京都千代田区有楽町1-10-1
有楽町ビルヂング1F
<月~金>8:00~20:00
<土>11:30~18:00
<日・祝>11:00~18:00
禁煙スペースあり
新有楽町ビル
新有楽町ビルは、1967年(昭和42年)竣工のオフィスビルです。
青みを帯びたタイルの壁や、独特な窓の形が特徴的で目を引く建物です。
この地には、丸ノ内日活劇場という映画館・農協会館・毎日新聞社がありました。
毎日新聞社は竹橋のパレスサイドビルに移転しました。
パレスサイドビルも名建築として有名です。
こちらのビルには、外資系の銀行が多く入っており、シップスやビームスなどのブランドショップや、おしゃれなカフェもあります。
ホームメイドクッキングという料理教室も、仕事帰りに通いやすく人気です。
はまの屋パーラー
「はまの屋」は、新有楽町ビル創立時から長く愛されてきた喫茶店でしたが、2011年(平成23年)に一度幕を下ろしました。
しかし、復活を希望する声が多く、高齢のために引退した店主のレシピと心は新しいスタッフに引き継がれ、
翌年に新メニューで、再オープンしました。
こちらのお店の名物といえば、「サンドゥイッチ」です。
玉子焼きのような厚さのタマゴサンドは、トーストに変更ができる上、フルーツサンドとハーフ&ハーフも楽しめます。
コーヒーは、ハンドドリップで淹れていただけます。
はまの屋ブレンドは、ハワイのコナコーヒーをはじめとしたブレンド豆を使用し、すっきりとした味わいです。
星占いやコーヒーチケットのボード、年季の入ったソファーなど、昭和感をうれしく演出してくれています。
気持ちの良い接客もうれしく、いい時間を過ごす事が出来ますよ。
はまの屋パーラー
東京都千代田区有楽町1-12-1
新有楽町ビルB1F
<月~土>9:00~18:00
<日>10:00〜17:00
定休日:祝日・年末年始
喫煙可(ランチタイム全席禁煙11:30~13:30)
http://hamanoya-yurakucho.com/
東京交通会館
東京交通会館は、有楽町駅前にある、1965年(昭和40年)竣工の地下4階、地上15階建ての、商業施設・オフィス・展示場が入る複合ビルです。
以前、この地には、東京都交通局庁舎がありました。
再開発後にはこのビル内に入っていましたが、1991年(平成3年)に交通局は新宿に移転しました。
交通会館という名称の由来は、こちらから来ています。
また、戦後の闇市から生まれた、すしや横丁と呼ばれる飲食店街もありました。
当時は新聞社が近くにあったため、この近辺はかなりのにぎわいをみせていたそうです。
ビルのB1階から3階までは店舗が入り、昔からあるお店の他にも全国のアンテナショップが多くあり、いつも多くの人々が行き交います。
2階にはパスポートセンターがあり、画廊、病院なども各階にあります。
東京交通会館は、景色の良さも楽しめるビルでもあります。
3階にある「有楽町コリーヌ」と呼ばれる屋上庭園は、ウッドデッキの植物に癒されながら、新幹線が走るのを見られる絶好のスポットです。
タイミングがよければドクターイエローが見られるかもしれません。
のんびりとした雰囲気で本当におすすめです。
15階の「東京會舘 銀座スカイラウンジ」は、このビルの最上階にある回転展望レストランです。
このビルのシンボルともいえる円形のレストランは、
80分で一周し、都会の街並みを一望できます。
また、夜には美しい夜景も楽しめます。
家族で楽しめるフレンチカジュアルレストランです。
ローヤル
ローヤルは、そんな東京交通会館地下1階にある、このビル開業の1965年(昭和40年)に創業した喫茶店です。
看板のロゴや食品サンプルのショーウィンドウの昭和感に心ときめきながら、シャンデリアがきれいな広々とした店内に入ります。
長く活躍されていると思われるウェイターさんのスマートな接客にうれしくなります。
「お好きなお席にどうぞ。」と優しく案内していただけます。
赤い椅子に座り、モーニングをいただきます。
トーストとゆで卵、サラダとホットコーヒーです。
優雅な朝のスタートを切ることができますよ。
ローヤル
東京都千代田区有楽町2-10-1
東京交通会館B1F
<月~金>8:00~19:30
<土・日・祝>11:00~18:30
定休日:年末年始
喫煙可
http://www.kotsukaikan.co.jp/
阿蘇
阿蘇も、同じく交通会館の地下1階で長く愛されている喫茶店です。
朝7時半から開いているのがうれしく、出勤前に余裕を持って立ち寄ることができます。
長いのれんをくぐると広がる、カウンターのみのアットホームな空間は、とても居心地がよいです。
交通会館が開館してまもなくの頃、ご主人が構えていた事務所に通っていたところ、小さな区画が残ってしまったので何かやりませんか?と相談されたのをきっかけにお店を開店したそうです。
(参考:東京交通会館ホームページ 東京交通会館 店主に語ってもらう「交通会館むかしばなし vol.04」)
こちらのお店のモーニングは、なんと400円です。
温かみのある木のプレートに、厚めのトースト・ジャム・ゆで卵・サラダ・ドリンクとうれしい朝の定番がいっぱいです。
ゆったりとした朝のひと時を過ごしてみませんか?
「行ってらっしゃい。」とやさしく声をかけていただけて、うれしい一日のはじまりです。
阿蘇
東京都千代田区有楽町2-10-1
東京交通会館B1F
<月~金>7:30〜18:00
<土>9:30〜17:30
定休日:日・祝
喫煙可
http://www.kotsukaikan.co.jp/
いかがでしたか?
有楽町で、出勤前に、また芸術鑑賞やショッピングを楽しむ休日に、渋いビルに立ち寄ってみませんか。
ノスタルジックでありながらも新鮮な気分を味わうことができますよ。