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映画女優に学ぶファッション ~ジャンヌ・モロー~

 

ジャンヌ・モローは、フランスを代表する女優の一人で、多くの名監督から愛され、「ヌーヴェル・ヴァーグの恋人」と呼ばれていました。
その美貌と演技力の高さから、俳優のオーソン・ウェルズからは「世界一の女優」と評されました。
半世紀以上に渡り、口角が下がった独特の表情と、唯一無二のクールな魅力で世界中の人々を虜にしてきました。
80代に入っても、現役で活躍していましたが、2017年の7月に惜しくも旅立たれました。
そんな彼女が出演した名作の数々を紐解きながら、ファッションについても触れていきたいと思います。

 

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◆恋人たち(1958年)

「恋人たち」は、「死刑台のエレベーター」で衝撃的なデビューを飾ったルイ・マル監督の長編第2作目のフランスの恋愛映画です。
バロン・ド・ドミニク・ヴィヴァン・ドノンという18世紀のフランスの作家の作品が原作です。
死刑台のエレベーター」とともに、ヒロインはジャンヌ・モローで、どちらも人妻の役を演じています。
前作の音楽担当は、マイルス・デイヴィスで、トランペットの音色が印象的なジャズ・シネマの先駆的な作品でした。
今作では、ブラームス交響曲弦楽六重奏曲第1番第2楽章が使われています。
この作品は、世界中の話題を集め、ヴェネチア国際映画祭 審査員特別賞を受賞しました。

新聞社の夫と結婚し、フランスの地方都市で気ままに過ごしているジャンヌ(ジャンヌ・モロー)は、満たされぬ生活を送っていました。
パリに住む友人のマギーを介し、社交界に出入りし、退屈を紛らわせていました。
そこで出会ったポロの名手ラウールと恋愛関係になり、ある日、マギーとラウルを恋人同士に見せかけて家に招待します。
ところがその日、パリから家までの道中で、ジャンヌ一人で乗っていた車が故障してしまいます。
たまたま通りがかった考古学者の若者、ベルナールに助けてもらい、彼も家に招くことになります。
その夜、眠れずに戸外に出たジャンヌと本を読んでいたベルナールは月夜の散歩をします。

この映画でジャンヌ・モローは、ココ・シャネルの衣装を着こなしています。
花柄のワンピースや、白いスーツ、黒いワンピースなど、シンプルなアイテムを着ていて、
カチューシャやスカーフ、パールのネックレスがポイントになっています。
白いロング丈のネグリジェも素敵です。

 

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突然炎のごとく(1961年)

 「突然炎のごとく」は、フランソワ・トリュフォー監督によるフランスの恋愛映画です。
フランスのアンリ=ピエール・ロシェの小説が原作となっています。
この作品で、ジャンヌ・モローは正直に生きていくことしか出来ない奔放な魔性の女を演じ、世界中に衝撃を与えました。
劇中で、「つむじ風」という曲を歌うシーンもあります。

1912年頃、パリのモンパルナスでジムとジュールは文学青年同士で親友でした。
やがて、カトリーヌ(ジャンヌ・モロー)に2人は恋しますが、ジュールとカトリーヌは結婚し、子供を授かります。
戦争が終わり、久々に再会した3人ですが、ジムとも恋愛関係になり、奇妙な三角関係となっていきます。

この映画でのジャンヌ・モローのファッションでの見どころは、上品な貴族のようなブラウスにロングスカートから一転した姿です。
チェックのキャスケット帽に、オーバーサイズのニットとパンツ、男物のシューズにつけひげを付けて走り出すシーンがあるのです。
ギャップにきゅんとくるこのシーンは、いまだにファッションのお手本としても有名です。
ほかにも、主婦になってからのレイヤーの入ったふんわりヘアとニットの組み合わせなど、おしゃれのヒントが満載です。

 

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エヴァの匂い(1962年)

 「エヴァの匂い」は、ジョゼフ・ロージー監督による、イタリア・フランス合作の映画です。
原作は、イギリスの犯罪小説家であるジェームス・ハドリー・チェイスの「悪女イブ」という作品です。
音楽はミシェル・ルグランで、ビリー・ホリディの歌も随所で流れます。
イタリアのヴェネツィアやローマが舞台となっており、美しい風景も見どころのひとつです。

新進作家のタイヴィアンは、婚約者がいるにも関わらず、ベネチア社交界の花形である美女エヴァジャンヌ・モロー)に夢中になります。
自伝のように描いたタイヴィアンの作品は実は亡き兄の経験であり、後ろめたく思っていることをエヴァには打ち明けます。
タイヴィアンがエヴァへの愛が深まっても、エヴァは冷たく突き放しますが、自分の生活に戻ろうとするタイミングで現れ、彼をとことん翻弄します。
ジャンヌ・モローは、くわえ煙草で、究極にクールな女性を演じています。

この映画での衣装担当は、ピエール・カルダンです。
当時、ジャンヌ・モローピエール・カルダンは交際中でした。
シンプルでありながら、ビジューがきらめくワンピースやスーツを着こなします。
毛皮のマフラーや、コサージュ、ブローチ、サングラスや眼鏡もアクセントになっています。

 

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ビバ!マリア(1965年)

 「ビバ!マリア」は、ルイ・マル監督による、フランス・イタリア合作の西部劇の作品です。
こちらは、ジャンヌ・モローとブリジッド・バルドーの2大女優が共演している貴重な映画です。
二人の華麗な歌唱・ダンスシーンやアクションシーンを楽しむことができます。
この映画で、ジャンヌ・モロー英国アカデミー賞の最優秀外国女優賞に輝いています。

マリア(ブリジッド・バルドー)は、父親譲りのアナーキストで、警官に追われ、旅一座に紛れ込みます。
そこで、一緒に組んでいた歌手に先立たれた、同じ名の花形女優のマリア(ジャンヌ・モロー)とともに、舞台に立つことになりました。
「マリアとマリア」で売り出し、大人気になった二人でしたが、旅の途中で悪政に苦しむ民衆たちに出会い、革命家として活躍することとなります。

この映画でのジャンヌ・モローは、ブリジッド・バルドーと二人で華やかな舞台衣装に身を包みます。
グリーンのラインが入り、黒いファーのついた深紅のドレスや、淡いグリーンとピンクのドレスなど、色合わせが絶妙です。
戦闘のシーンでは、長袖シャツにロングスカートをウエストインしたスタイルです。
髪や胸元のリボンや、ネクタイ、コインネックレスなどがアクセントになっています。
シャツの色もジャンヌ・モローがベビーブルー、ブリジッド・バルドーがベビーピンクといった感じでちょっとだけお揃いなのが心憎いです。
メキシカンな黒い花柄のワンピースがシックで素敵だったり、取り入れやすいウエスタン・ファッションが満載の一本です。

 

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黒衣の花嫁(1968年)

黒衣の花嫁」は、フランソワ・トリュフォー監督による、フランスのサスペンス映画です。
アメリカのコーネル・ウールリッチのミステリー小説が原作で、
ヒッチコックのサスペンス映画を愛したトリュフォー監督が、満を持して世に送り出した作品です。
クエンティン・タランティーノ監督の、「キル・ビル」はこの映画がモチーフになっているそうです。

ジュリー(ジャンヌ・モロー)は、結婚式の指輪交換の直前に、銃で結婚相手の命を奪われてしまいます。
冷たくなった手と悲しい指輪交換を行い、その日から5年かけて犯人を探し出し、次々と復讐していきます。
酒に酔った独身男性たちがふざけて教会の風見鶏を標的にして銃を撃とうとして誤って花婿に当たってしまったのです。

この作品も、ピエール・カルダンのモノトーンの衣装が見どころの一つです。
白か黒の衣装のみ身にまとい、羽がついたシースルーのホワイトのワンピースや、
黒のニットにタイトスカート、ブラック&ホワイトの大胆な柄のワンピースなどを着こなします。
髪型がボブだったりウイッグを使ってまとめ髪や黒髪に変わったりと印象を次々と変えていきます。
クールな役どころにぴったりと合っています。

ジャンヌ・モローの映画とそのファッションについてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ぜひ、作品に触れて、女性であることの魅力を再発見できるストーリーとファッションを堪能してみませんか?

 

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