変化し続ける東京の街ですが、変わらぬ味とサービスを提供してくれる喫茶店が多数あります。
現在、そんな喫茶店がレトロ喫茶として、注目を浴びています。
素敵な時間が流れるレトロ喫茶で、昭和にタイムスリップしてみませんか?
珈琲専門店 エース(神田)

「珈琲専門店 エース」は、JR神田駅から徒歩3分の場所にある、1971年(昭和46年)創業の喫茶店です。
このお店が創業した1971年といえば、銀座にマクドナルドの日本第1号店がオープンし、アンアンやノンノを片手に街を闊歩する若い女性をアンノン族と呼ぶようになった年です。
思い切って扉を開くと、着席してすぐに目に飛び込んで来るのは、あたたかみのある手書きのメニューや、現役活躍中の黒電話などです。
思わずキョロキョロしてしまいますが、温かな雰囲気でホッとひと息つけます。
名物はなんといっても、のり弁をヒントに発案されたという、「のりトースト」です。
バター、醤油を塗ったトーストにのりがサンドされています。
和洋折衷の斬新なメニューなのですが、エッと驚く意外にマッチしたおいしさです。
単品では170円。人気のモーニングはサイフォン式で淹れたブレンドコーヒーとのセットでお財布にやさしいワンコイン500円です。しかもおかわり自由という懐の深さです。
最近は、若い人たちが多く訪れているからか、インスタ映えも考慮してくれているような優しさも感じます。
珈琲専門店 エース
東京都千代田区内神田3-10-6
〈月~金〉7:00~19:00
〈土〉7:00~14:00
定休日 日曜日・祝日
オンリー (南千住)

南千住駅から5分ほど歩くと、「魔性の味」というインパクト大な看板と、ポップな窓の文字に目が止まります。
1970年(昭和45年)創業の喫茶店、「オンリー」です。
浅草、合羽橋に続く3店目だそうです。
1970年といえば、大阪万博が開催された年です。レイヤードファッションや、ジーンズファッション、デザイナーズブランドなどが人気となりました。
入店すると目に留まるのが、ストライプの壁にオレンジのライトといったレトロ感満載の内装です。
カウンターには常連さんがいらっしゃって、この店が地域の方々に愛されているのが分かります。
ホットコーヒー(400円)は、サイフォンで淹れてくれます。
手書きの店名の入った、使い込まれた感じのカップ&ソーサがとてもかわいらしいです。
人気のホットケーキ(520円)は、注文を受けてから粉から作るこだわりぶりで、ふんわり、ふっくらでうれしい分厚さです。
自家製のメープルシロップをたっぷりかけていただきます。
なんとミニサラダもついてきます。
そしてサンドイッチには、あのペリカンのパンを使用しているそうです。
一見さんにもさりげなくやさしく、サービスが素敵なお店です。
オンリー
東京都荒川区南千住5-21-8
9:00~19:00
定休日 日曜日
高級喫茶 古城 (上野)

上野駅浅草口から徒歩3分のオフィスやホテルが立ち並ぶ中に、紫色の高級喫茶という文字が目を惹く喫茶店があります。
1963年(昭和38年)創業の「高級喫茶 古城」です。
「鉄腕アトム」、「キューピー3分クッキング」が放映開始されたのが1963年です。
即席のワンタン麺や焼きそば、コーンフレークが発売され、ますます生活が便利になっていきました。
ファッションでは、バカンスルック、ノースリーブ、ジャージーなどが流行しました。
そんな年に誕生したこの古城ですが、中世をイメージした重厚な装飾にまず驚かされます。
地下に続く階段や、店内奥に大きなステンドグラスがあり、シャンデリアやピアノなど、とてもゴージャスです。
にもかかわらず、店内のメニューは普通の喫茶店の価格です。
漫画本なんかも置いてあり、庶民的なミスマッチも楽しいです。
高級なのはこの装飾を指しているのかなという印象です。
看板メニューは、ミックスサンドセット(1300円)です。
創業以来レシピは変わらないそうで、ブレンドコーヒーは、
男性は青、女性は赤のカップで提供されます。
デザートのメニューも豊富です。
こちらはコーヒーゼリーです。
昭和30年代そのままのインテリアを眺めたりしながら、広々とした店内のゆったりとしたソファーで、優雅な気分に浸ってみるのもいいですね。
高級喫茶 古城
東京都台東区東上野3-39-10 光和ビルB1F
9:00~20:00
モーニング 9:00〜11:00
ランチ 11:30~14:30
定休日 日曜日・祝日
アンヂェラス(浅草)

浅草駅より徒歩3分ほどの場所にある、「アンヂェラス」は、1946年(昭和21年)創業の歴史ある喫茶店です。
戦後間もないこの頃に、甘いものをみんなに食べて欲しいとの思いから開店に至ったそうです。
店名の由来は、カトリック教会の祈りの時刻を知らせる鐘の音で、店内も礼拝堂をイメージした吹き抜けのある作りになっています。
昭和30年代頃までの浅草は、若者が集まる流行の発信地でした。
このお店もそんなアンテナを張った人達の情報交換の場として使用されていたそうです。
昭和を代表する作家など、著名人にも愛されていました。
当時の様子を思い浮かべながら、一息ついてみてはいかがでしょうか?
こちらのお店の看板メニューは、開店当時から変わらぬ味の2品です。
「アンヂェラス」(330円)
小さなブッシュドノエルのような形をした、バタークリームのケーキです。
黒は、コーヒー味のバタークリームにスウィートチョココーティングで、白は、バタークリームにホワイトチョココーディングです。
甘さ控えめで男性にも愛されており、お土産にもピッタリです。
「ダッチコーヒー」(600円)
じっくりと抽出した水出しの珈琲です。
このダッチコーヒーに梅酒を加えた、「梅ダッチコーヒー」(700円)も人気です。
梅ダッチコーヒーは裏メニューだったのですが、「鬼平犯科帳」で有名な池波正太郎の勧めで正規のメニューに加わったそうです。
そのほかにも、こだわりのブレンドコーヒーや、カラフルなパフェやフルーツポンチ、手塚治虫も愛したという、サバランなど、メニューも豊富です。
昭和の雰囲気にどっぷりつかりたい方には、本当におすすめのお店です。
今や、観光地として代表的な浅草ですが、レトロ喫茶めぐりにもおすすめな街です。
ぜひ歩いてみてくださいね。
アンヂェラス
東京都台東区浅草1-17-6
11:00~21:00定休日 月曜日(祝日・催し物の日は営業)
いかがでしたか。
おいしいコーヒーやデザートとともに、気軽にタイムトリップ気分も味わえるのが、レトロ喫茶めぐりの魅力です。
昭和の雰囲気を感じ足を運んでみてはいかがでしょうか?