ショーガールの靴から始まった、クリスチャン・ ルブタンの歴史
皆さんは、「クリスチャン・ルブタン」というブランドについてご存じでしょうか。
デパートのラグジュアリーブランドが立ち並ぶ一角に、
美しく並べられた真っ赤な靴底のシューズを、
ご覧になったことがあるかもしれません。
クリスチャン・ルブタンと言えば、
華奢で美しいラインのピンヒールの向こうに覗く、
「レッドソール」と呼ばれる目の覚めるような真っ赤な靴底と、
スタッズをふんだんに使った独特なデザインで、
世界中のセレブリティに愛されているブランドとして有名です。
今回は、クリスチャン・ルブタンのブランドの
歴史や特徴について見ていきたいと思います。
クリスチャン・ルブタンは、
1991年にフランスで誕生したシューズブランドです。
デザイナーは、ブランド名の通り、
クリスチャン・ルブタンというフランス・パリ出身の男性で、
幼いころからシューズのスケッチをしていたそうです。
パリで育ったクリスチャン・ルブタン氏にとって、
演劇やショーは常に身近にあった為、
10代の頃からショーガールの為の靴を本格的にデザインし始めました。
ショーガールの靴はヒールが高くて美しいけれど、
とても履きにくいものが多かったために、
靴の中にカルパッチョを入れてクッション代わりにしていたそうです。
それから、ルブタン氏は靴底にクッションを入れて、
履きやすさにもこだわり始めたと言います。
10センチを超えるヒールの靴も沢山ありますが、
比較的動きやすく疲れにくい作りとなっています。
この様な背景から、ルブタンの靴はショーに登場する衣装のように、
華やかでセクシー、そして遊び心のあるデザインが多いのが特徴です。
1980年代から、「シャネル」や「エルメス」、
「イヴ・サンローラン」などのラグジュアリーブランドでフリーのデザイナーとしての経験を経て、
1991年にブティックを開業、これがブランドの始まりとなりました。
クリスチャン・ルブタンの人気は多くのセレブの
間で人気となり、映画の中でも使われるように
なりました。
2012年には初の男性向けの店舗を開業しました。
男性向けのシューズにも女性ものと同様に、
ショーの舞台で存在感を放つデザインをイメージし、
更にスニーカーにもレッドソールを採用することで人気に火が付きました。
現在世界中での店舗数は100店舗を超えています。
ブランドのアイコン「レッドソール」の秘密
ブランドのシンボルとも言える「レッドソール」ですが、
計算されたものではなく、偶然生まれた産物だそうです。
ある日出来上がったものをチェックしていたルブタン氏は、
自分がイメージしていたものと違うように感じ、
ソールに色が無いことに気が付きました。
ちょうど赤いマニキュアを塗っていた女性が隣りにいたので、
それを借りてソールに塗ってみたところ、想像通りに仕上がったそうです。
それから、クリスチャン・ルブタンの靴のソールには色を入れることになり、
いつしか、赤色に定着したということです。
このブランドの特徴である「レッドソール」ですが、
これを真似た赤い靴底の靴が、他のブランドからも販売されたことがありました。
これを問題としたルブタン氏は訴訟を起こし、
商標権は自分にあると主張しました。
その後、靴底とそれ以外の部分が別の色であれば、
レッドソールの商標権が認められるという判断がなされ、
ファッション業界でも大きなニュースとなりました。
パッケージも魅惑のコスメライン
クリスチャン・ルブタンでは、
「クリスチャン・ルブタン・ボーテ」というコスメブランドも展開しています。
何といっても目を引くのが、
その奇抜で存在感のあるパッケージです。
ここでもレッドソールがイメージされた、
シャープでスタイリッシュで、他のコスメにはないデザインとなっています。
第一弾として発売されたネイルカラーは、
前述の通りレッドソール誕生のきっかけとなった、
ブランドにとって最も思い入れのあるアイテムです。
靴とバッグにちなんで名付けられた30色がラインナップされていて、
爪の裏に塗ると「レッドソール」と同じようなデザインになる「ルビ アンダーレッド」はセレブの間でも話題となりました。
第二弾のリップカラーは、
やはりレッドソールからイメージされた深紅のカラーから、
どんな肌色にも合うように計算されたヌーディーなカラーまで多数の色を取り揃えており、
キャップの先端にはチェーンを通せる金具が付いていて、
ネックレスの様に首から下げたりすることができます。
こちらも他のブランドにはない、
ルブタンらしいアイデアだと言えますね。
その後、リップオイルやマスカラ、アイライナー、フレグランスなどのアイテムを次々と発売してきました。
この様に、比較的新しいブランドでありながら、
斬新なアイデアで常にファッション業界を牽引してきたブランドであるクリスチャン・ルブタンについて、
お分かりいただけたでしょうか。
ルブタン氏はツイッターなどのSNSも積極的に利用していて、
そのキャラクターも世界の人々に愛されています。
一見手の届かないラグジュアリーブランドの様に思われがちですが、
一度ショップを覗いてみてはいかがでしょうか。