アパレル・ファッション TREND MEDIA

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震災を乗り越え、洗練された街を広げ続けている杜の都「仙台」のファッションビル特集

 

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仙台の注目ファッションエリアその1:仙台駅西口を賑わせている仙台PARCO

仙台PARCOは2008年8月23日に開業。基本商圏を仙台市全域としながらも、仙台経済圏を超えて東北地方全体を広域商圏ととらえ仙台駅西口から出て、隣接する「マークワンビル」内に展開しています。

仙台マークワンの地下1階から地上9階部分を所有し、1階と9階に関しては、天井が高く、同フロアにメンズとレディース、レディースとキッズなどの顧客層が異なる商品を陳列させることにより、カップルやファミリー、若者同士どの組み合わせでも買い物しやすい工夫がされたファッションビルになっています。

訪れる人々を楽しませ、テナントを成功に導き、先見的、独創的、かつホスピタリティあふれる商業空間の創造を経営理念に掲げ、常にいつも新しいファッションの最先端情報の発信スポットであり続けています。
若い女性のためのファッションから、ユニークなオリジナルグッズまでいつも新感性が光っている仙台パルコの魅力の源は何かあるのでしょうか?

社名“PARCO”はイタリア語で“公園”を意味します。 “公園”とは、「人々が集い、時間と空間を共有し、楽しんだりくつろいだりする場(空間)」が“PARCO”であり、 “PARCO”(=場(空間))の主役は、その場(空間)に集う人々、すなわち、お客様と専門店と捉えています。 お客様に「行ってみたい」「また来たい」と思っていただけるような店創りを目指し、専門店とお客様の結びつきを強くしていく事を続けている。
また、社員は喜びと感動が生まれる「場=空間」を提供するために、常にお客様のニーズと欲しいモノを探しあて、それを満足させる努力をおこなっているのがPARCOの根源であり、愛されて続けているファッションビルを形成しています。

PARCOは商業施設のトータルプロデュース力で、魅力的な商業空間の創造にも取り組んでおり、具体的には出店エリアのマーケティング、企画立案から始まり、コンセプトに合致したテナント編集や環境演出、店舗運営を行います。

同時に多彩な宣伝・販促活動で集客力を高め、日々の保守管理で安全・安心な店舗運営を支えています。そして、さらに売場改装を推進することで、常に新鮮な売場を創り出せる様に工夫しています。

では常に新鮮な売り場を創り出すためにはどういった取り組みを行なっているのか、いくつかご紹介致します。

◆インキュベーション
パルコは創業以来、音楽やアート、演劇など先端のカルチャーを積極的に紹介し、さまざまな新しい才能の発見や応援する活動をしています。マーケットに新しい提案をし続けるためには、新しい才能の活躍が必要と考え、新進のファッションデザイナーやクリエイター、テナントの成長こそがパルコの成長と位置づけ、新しい才能を発掘し、その成長を支援することにより、新しい価値を創出する活動に力を入れています。

◆テナントインキュベーション
新しいテナントのトライアル出店や、PARCOの店舗展開を活かした拠点拡大を行っています。
また、テナントネットワークを活用した新しい業態のショップ開発も積極的に行っています。

◆デザイナーインキュベーション
こだわりのあるモノづくりを追及する次世代デザイナーが成長しにくい時代だからこそ、ファッションの未来を切り開いていく活動に取り組んでいます。

◆クリエイターインキュベーション
様々なジャンルで活躍する若手クリエイターたちが、自分達のクリエイティブ作品を表現する場を提供しています。

◆オムニチャンネルの創出
マルチチャネルの小売りの進化形で、リアル(実店舗)とネット(インターネット通販)の境界を融解する試みの実現へ向け、テナントのショップブログ訴求やスマートフォンを接客ツールとしたアプリの活用など、様々な新しい試みを展開しています。「才能」を応援したいという想いから、デザイナーに事業成長の場を提供しています。

常に斬新な事業活動を展開し挑み続けているパルコは若者カルチャーやアートとクロスオーバーさせてきています。震災後もすぐに営業を開始し、“都市マーケットで活躍する企業集団”として、生活者の方々に心の豊かさを提供するという強い意志と、先見的、独創的な考えを持ち、社会と共有できる「新しい価値」を創出し続けている仙台PARCO
また2016年7月からは仙台PARCO2が誕生。仙台駅周辺をさらに盛り上げ幅広いお客さまに向けた都市のライフスタイルを提案する場として、今後も目が離せないファッションビルと言えるでしょう。

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仙台の注目ファッションエリアその2:一番町にある、イオングループ仙台フォーラス

イオングループのファッションビル「フォーラス」の第1号店として1984年に誕生。
仙台市の中心地に位置する商店街「一番町」。仙台駅から徒歩約15分の仙台フォーラスは、この一番町に位置する地上8F、地下2F建てのファッションビルです。
1F~4Fまでは主にレディースとユニセックスアイテムを取り扱い、5F~6Fの2フロアにかけては充実したメンズアイテムの数々を展開しています。


東北全体のファッションフリークを満足させるファッションビルをコンセプトに、クリエーターブランドをはじめ、館内にはコム デ ギャルソンやA.P.Cといったハイブランドに加え、FOREVER21などのファストファッションブランドも揃うなどジャンルも幅広く豊富なファッションビル。おしゃれに敏感な中高校生を始め、20代学生の方々でも選びやすいリーズナブルなアイテムを取り揃えているのが特徴です。

ビルのぶらんどーむ一番町側は、近年ブランド街として変化を遂げ、数々の有名ブランド店が並ぶほか、土日の歩行者の数は5万人/日以上で、市内では最も歩行者数が多い立地といえます。

そこまで賑わう理由としては、2000年代から始まった仙台発着の高速バスが東北地方に張り巡らされ、高速バス停留所広瀬通一番町)に隣接する仙台フォーラスが仙台経済圏各地から集まる若者を取り込むようになったのが大きな理由といえるでしょう。

山形市福島市といった南東北はもとより東北地方各地からの仙台フォーラスへの交通アクセスは飛躍的に向上しました。このため、仙台フォーラスにおける来訪者の県外客比率は平日17%、土日30%を占めるに至り、仙台市以外の宮城県内客は平日19%、土日22%と、週末は過半数仙台市外からの来客で占められるようになりました。

2008年頃からは仙台駅前にS-PAL IIと仙台パルコ、郊外に三井アウトレットパーク 仙台港、仙台泉プレミアム・アウトレットおよび泉パークタウン タピオと立て続けに大型店が開店するにあたり、大幅な店子の入れ替えと店内改装に力を入れました。フォーラスに業態転換してから初めてとなるロゴマークの変更と外観の改装にも着手しました。

またフォーラス前のぶらんどーむ一番町においてはリアル・クローズを対象とするファッションショー「仙台コレクション」を開催し、人気ファッションモデルのイベントも店内で同時に開催する仕掛けを行い、競争相手が増える中で様々な生き残りをかけた事業に取り組んでいます。街の開発と共に、時代にあったニーズをお客様に提供し、日々進化を遂げているファッションビルは魅力的です。

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仙台の注目ファッションエリアその3:独自の個性を放ち、仙台のファッションを牽引するReVoLuTioN

1981年の6月にオープン。35年以上の歴史があり老舗かつ最先端なお店を展開。ストリート、モード、ラグジュアリー、ドメスティックからインポートブランドを取り扱い、みんなと同じではなく、みんなと違うを楽しむことを掲げ、独自の個性を放つ仙台のセレクトショップReVoLuTioN(リヴォルーション)ビルが仙台駅から北西に徒歩約10分の場所にあります。

日本に一番最初にマルタン・マルジェラを出し、メゾン・マルジェラの売り上げ世界一を記録したことをきっかけに有名となりました。

ウェアやシューズなどのメンズアイテムをメインとしたショップアイテムが多いのですが、レディースもシックで落ち着いたアイテムばかりが揃うお店です。それぞれの独自のブランドが持つカルチャースタイルが店舗に反映され、ブランドの直営店にはない魅力をもつセレクトショップとなっています。

オープン当初は海外の古着などの仕入れを始めたのがスタート。ファッション業界は横のつながりが多く、知人や友人を通して少しずつ広まっていき、今では仙台のファッションを語る上では外せない場所です。

1990年代前後は、ジャン=ポール・ゴルチエヴィヴィアン・ウエストウッドなどが全盛期の時代で、そういったインポートブランドをセレクトしていた関係からメゾン・マルタン・マルジェラ(現メゾン・マルジェラ)を取り扱うことにつながり、当時はマルジェラもブランドを設立して間もない頃で、日本法人が設立される以前は、フランス本国から直接輸入していました。

ファストファッションが横行している昨今とは、逸脱していてとても先見的で独自のスタイルを確立しているお店なのです。

マルジェラを扱ったことで、ベルギーの有名なデザイナーたちのブランド(ドリス・ヴァン・ノッテンやラフ・シモンズ、ヴェロニク・ブランキーノなど)を輸入することにもつながりました。

こちらのお店ではバイヤーといった固定の役職はなく、そのときどきで旬のブランドを店長がパリコレなどに足を運びオーダーしているシステムを取っています。

注目されているブランドや、売れ行きのよいブランドをオーダーすることもあっても、そのすべてをセレクトするわけではなく、常にお客さまのインサイトなどを把握し、その上でバイイングすることを心がけている取り組みをしています。

◆今後のセレクトショップとしてのお店の在り方とは?
インターネットなどの通信販売というかたちが主流な現代だが、こちらのお店では、単価の高い商品は、ショップで直接購入したいと思うお客様が多いと考え、ラインナップの新鮮さや、スタッフの魅力が重要と考えています。

特に、スタッフの採用面接の際は、接客に対する熱意を重視し、ファッションに対する熱意や知識があるというよりも、人が好き!という気持ちや、コミュニケーション能力に優れているかなどに重きを置いています。

地方のセレクトショップだからこそ、地域に根ざしたショップでありたいと考え、アットホームな雰囲気で立ち寄りできるような常にお客さまに近い存在を目指しているのでしょう。

また時代に合わせて変化を続けることを厭わず、ブランドよりも、こちらのショップやスタッフから購入したい、とお客様に思っていただけるような店創り、また実際に商品の良さと、スタッフを信頼していただき足を長く運んで頂けることを心掛けているReVoLuTioN。

これからも様々な魅力あるブランドを紹介し、個性あふれるスタッフと提案力を武器にファッション業界を牽引していくReVoLuTioNが楽しみです。

 

巨大地震のすぐ後に、ユニクロの柳井社長が多大な金額の寄付と、大量のヒートテックなどの製品を被災地に届けるというニュースは被災地に大きな勇気と希望を与えました。

それとともに、これだけの打撃を受けた被災地に対して、ファッション業界は何ができるのだろう、ということをより一層考えさせられたのではないでしょうか。

百貨店や商業施設、ブランドショップは店を閉め、その後も節電や安全確保のために休業もしくは営業時間の短縮を余儀なくされている中で、仙台PARCOは2011年3月26日 に一部の店舗を除く地下1階と1階の営業を再開し、3月30日 にはレストランフロアを除く全館の営業するという迅速な再開をしました。

またReVoLuTioNに関しては巨大地震発生後の2011年3月19日に店を開け、まずは自分たちができる事として店舗に持ち込まれた衣料品を集め、避難所へ届けるサービスを行い迅速な行動をとりました。

あまりにも深い津波の爪痕や、被災者の心の傷が癒えるのは何年かかるのわかりません。
しかし、ファッションを通じて喜びや楽しさを伝えようとするデザイナーや、少しでも早い復興を願って立ち上がろうとしている人々が多く仙台にはいたのは事実です。

東日本大震災を機に消費者心理も大きく変わり、新たなビジネスモデルがアパレル業界にも求められています。大量生産大量消費ではなく、必要なものだけを生 産する注文生産が見直され、
ファッションが嗜好品ではなく必需品となるか、日本のファッション業界は試されている時にきています。

アパレル業界に限らずあらゆる企業がソーシャルビジネスを目 指すことが求められるています。そして、チャリティを考えることが必要不可欠となり、社会活動としての企業活動へと発想の転換 を図らなければならない時代なのではないでしょうか。

企業は改めて非常時の対応、生産、供給体制を迅速に立て直す仕組みを見直し、ビルのメンテナンス、耐震性の強化、情報提供するためのネットワークの確認、非常時への備えの強化など
全ての防災力の強化をいま一度図っていただきたいです。

そして他人事とは言わず、企業だけではなく、各々個人も防災意識を高め、災害発生時に役立つ術を身につけて欲しいと思います。