アパレル店員必見の4つのファーストアプローチ
アパレル店員にとってファーストアプローチ(声掛け)はお客様に心をひらいてもらうための最初のステップです。どんなお手伝いをすれば良いかを臨機応変に判断し、お客様の要望を満たすことを最終ゴールとします。
一口に「要望を満たす」と言ってもお客様のタイプや状況もさまざまなので、各ケースに合わせたアプローチ方法を知っておく必要があります。
そこで今回は、アプローチ方法の4つの基本形について紹介していきます。
その1 商品の説明から!「マーチャンダイジングアプローチ」
例)
「今ご覧になっている商品は、昨日入荷したばかりの新作なんです」
「そちらは雑誌の○○で紹介されていた▲▲というデザインで、今季のトレンドですよ」
商品の説明を足掛かりにお客様へ声掛けするアプローチをマーチャンダイジングアプローチと呼びます。お客様が商品を「なんとなく手に取った」という状況だったとしても、商品に関心を抱いてもらうきっかけとなります。
そのためには、事前に取扱いブランドの商品の素材やデザインの特徴、色のバリエーションや在庫状況をしっかり把握しておきましょう。
また、競合他社ブランドの商品情報を頭に入れておくことで、お客様が購入を迷っている際に具体的な比較検討ができるようになります。
その2 お手伝いで自然に!「アシスティングアプローチ」
例)
「お荷物をお預かりしましょうか?」
「何かお探しになられているものはございますか?」
アシスティングアプローチは名前の通り、お客様のお手伝いを申し出る形で声掛けする方法です。効果をより高めるには、お客様の要望を的確に把握する必要があります。
お客様が店舗内でキョロキョロされているようであれば「何かお探しになられているものはございますか?」と訊ねるなど、お客様の行動からニーズを推測しましょう。
「店頭のディスプレイを見て入店されたから、そのコーディネートを探しているのかもしれない」など、詳細まで考えられるスタッフほど質の良いサービスが提供できます。
その3 まずはコミュニケーションから!「グリーティングアプローチ」
例)
「雨が強いと聞きましたが、大変でしたか?」
「(以前購入いただいたお客様に対して)先日は有難う御座いました。」
季節に絡んだ挨拶や個人名の呼びかけなど、挨拶とセットで考えるアプローチ方法です。これをグリーティングアプローチと言います。
コミュニケーションをとることから始まるため、欲しい商品が明確でないお客様とも自然な会話ができます。
お客様によっては世間話のようなコミュニケーションを好まない方もいます。
会話を好むタイプのお客様か、今話しかけてもよい状況かなど、観察を通じてタイミングを見極めるようにしましょう。
その4 その他アプローチ例
今まで紹介してきたものとは違い、お客様のパーソナルな面を足掛かりに声掛けをする方法もあります。パーソナルな話題となるぶん、応用範囲が広いアプローチ法といえます。
例)
「そのネックレス、とてもよくお似合いですね」
「(小さなお子様連れに)お子さまはおいくつでいらっしゃいますか?」
お客様のことで話題を展開するため、ある程度の想像力が必要とされます。
「自分が得意なタイプの人」「なかなか懐に入り込めないタイプの人」それぞれのケースに合わせた話題の引き出しを増やしておくと効果的です。
どのアプローチ法にも共通しますが、声掛けの際はお客様を驚かせないように注意しましょう。具体的な注意点としては、お客様の視界に入る場所から声をかけること、適切なタイミングを図ること、適度な声量に調整することなどが挙げられます。
小さなことのように感じますが、こうした配慮の積み重ねがお客様との関係性を築く上で重要な足掛かりとなります。
講師の紹介
株式会社エムオーティクリエイション
代表取締役社長 川内由加
・サービス・マネジメント・コンサルタント
・キャリアカウンセラー
<米国CCE. Inc. 認定GCDF>
・国家資格キャリアコンサルタント
・サービス介助士・認知症介助士
<公益財団法人日本ケアフィット教育機構>
・英国国立ウェールズ大学院 経営学修士(MBA)
<MBA, The University of Wales, UK.>
・桜美林大学院 老年学修士
<桜美林大学老年学研究科シニアライフ研究会所属>
・経営倫理士
<特定非営利活動法人日本経営倫理士協会 主任フェロー研究員>
・特定非営利活動法人戦略的CSR研究会 理事
1982年 関西学院大学卒業後、株式会社ワールドへ入社。株式会社ワールドで、人事部・タケオキクチ事業部・株式会社ワールドストアパートナーズ(ワールドグループ販売会社)の代表取締役を経て、2001年にエムオーティクリエイションを設立。