ファッション販売における店長の役割とは?
今回より「ファッション販売レベルアップ講座」と題しまして、全5回で店舗マネジメントの基本について解説します。
本講座はスタッフとしての経験をある程度積み、次のステップを見据えた方向けの講座ですが、「一つ上の目線で仕事をする」ことは、自分自身の成長にとって非常に意味があるものです。
したがって、まだ販売の仕事を始めたばかりだという方にも、是非一読してみて頂きたい内容です。
さて、第1回では、店長の役割とやりがいについてご紹介します。
「店長」というと、どのような仕事をイメージするでしょうか?
スタッフの教育をする人
一番販売の技量が優れている人
商品知識が豊富な人
人によってイメージは様々だと思いますが、共通して言えることは、
「管理者として、関わる人・影響を与える人の数が多くなるということ」
です。
お客様のことをよく知り応えようと努力することはもちろんですが、組織(上司)からの要請やスタッフの欲求に応えたり、本社の関係各部門やお取引先様との調整をうまく行ったりすることも必要となります。
店長に求められる組織(上司)からの要請とスタッフの欲求
では、組織(上司)からの要請とスタッフの欲求にはどのようなものがあるでしょうか?
以下に例をあげます。
組織(上司)からの要請(例)
お客様にとって価値の高い店舗を実現し続ける
顧客価値創造・顧客の創造、維持
企業理念・価値観・方針・ブランドのビジョンを実現する
計画した目標(売上)を達成する
会社・ブランドに貢献できる人材を育成する
コンプライアンスを守る(店長は当然、スタッフ全員)
法令・社内規則・社会的ルールを守り、人として正しい道に従って判断する
お取引先様との信頼関係を築き、協働する
自身のキャリアを自ら開発する
継続的な自己成長への取組み・自律的なキャリア創造・セルフマネジメント
スタッフからの欲求(例)
お客様が感動してくださる店舗を創りたい、お客様が感動してくださるサービスをしたい
達成感・成長実感・貢献実感(役立ち感・存在意義)を得たい
そのための環境づくりをしてほしい(阻害要因を取り除いてほしい)
自分の最大限の成長や成果創出に向けて、いつもサポートしてくれる存在でいてほしい
店長候補になるような人であれば、多くは、売上目標達成意欲が強く、誰よりも売上を上げられる人です。
この意欲は非常に素晴らしいことではありますが、ともすれば「売上目標の達成」にのみ目が行き、多くの関係者が周囲にいることを忘れてしまいがちです。
したがって、自分自身がスタッフだった頃と比較してみて、一段上の目線を持つことが非常に重要です。店長は大変な仕事ではありますが、見方を変えれば、良い影響を与えられる範囲が広がることとも考えられます。
考え方次第で店長職に対するイメージは変わりますが、やりがいのあるポジションであることは間違いありません。是非、チャレンジしましょう。
講師の紹介
株式会社エムオーティクリエイション
代表取締役社長 川内由加
・サービス・マネジメント・コンサルタント
・キャリアカウンセラー
<米国CCE. Inc. 認定GCDF>
・国家資格キャリアコンサルタント
・サービス介助士・認知症介助士
<公益財団法人日本ケアフィット教育機構>
・英国国立ウェールズ大学院 経営学修士(MBA)
<MBA, The University of Wales, UK.>
・桜美林大学院 老年学修士
<桜美林大学老年学研究科シニアライフ研究会所属>
・経営倫理士
<特定非営利活動法人日本経営倫理士協会 主任フェロー研究員>
・特定非営利活動法人戦略的CSR研究会 理事
1982年 関西学院大学卒業後、株式会社ワールドへ入社。株式会社ワールドで、人事部・タケオキクチ事業部・株式会社ワールドストアパートナーズ(ワールドグループ販売会社)の代表取締役を経て、2001年にエムオーティクリエイションを設立。