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映画女優に学ぶファッション~60年代日本の女優編~

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若尾文子の「お嬢さん」スタイルに学ぶ冬のファッション

では最初に、「お嬢さん」という作品の若尾文子のファッションをご紹介します。
若尾文子は、近年ではソフトバンクのCMに出演し、話題になりました。
映画館でも特集が組まれるなど、根強い人気を誇っています。

「お嬢さん」は、1961年(昭和36年)公開の弓削太郎監督による青春映画です。
原作は三島由紀夫で、1957年(昭和32年)の「永すぎた春」という作品の続編にあたります。
若尾文子と、川口浩という大映の黄金コンビが主演です。
余談ですが、若尾文子三島由紀夫は、この作品の公開前年に、「からっ風野郎」で共演しています。

かすみ(若尾文子)とおチエ(野添ひとみ)は、親友同士の学生です。
妄想型のかすみと、聞きかじりの恋愛の知識が豊富なおチエは、二人とも幸せな結婚を夢見ています。
かすみは、父親の部下の牧(田宮二郎)に求婚されますが、同じく部下の沢井(川口浩)が気になるようになります。
そして相思相愛で結婚に至ります。そしておチエは牧と付き合うようになります。
結婚後も、沢井の元恋人が新婚旅行や新居に突然訪ねてきたりと、トラブルが起こりますが、事なきを得ます。

この作品では、若尾文子が自らコーディネートした「お嬢さん」スタイルが話題になりました。
上品な冬のファッションはとても参考になります。

幾何学模様のワンピース
◆チェックのコート・白のタイの付いたニット
◆水色のノーカラーのツーピース
◆茶色のブロックチェックのフード付きコート・白いニット
◆オレンジ色のコート・オレンジ色のクルーネックカーディガン・花柄のスカーフ
◆赤いニット・茶ツイードのジャンパースカート・黒いベルト・赤い三連ネックレス
マスタード色のコート・黒のシースルーにミントグリーンの水玉のスカーフ
◆黒いクルーネックニット・白いレースのブラウス・ターコイズ色のタイトスカート・エプロン
◆白い着物・赤い花の髪飾り
◆グリーンのストライプのジャケット・紺色のクルーネックニット・赤いタータンチェックのバッグ

チェック柄のコートに定番色のニットの組み合わせはとても目を引きます。
スカーフは、オードリーヘップバーンや、映画「君の名は」で知られる「真知子巻き」のような、ふわっと頭にかぶって使う場面がよく出てきます。
色の合わせ方が絶妙で、若々しさが引き出される着こなしとなっています。

おチエ役の野添ひとみも少女漫画の主人公のようなかわいさで、若尾文子と並んで歩く姿には見とれてしまいます。
実生活では、沢井役である川口浩野添ひとみが結婚しており、おしどり夫婦として有名でした。

沢井の元恋人の一人は、銀座みゆき通りの洋品店の店員で、銀座が当時の若者の流行の発信地であったことが分かります。
そして、二人の新居は、当時憧れの住居だった団地の一室で、昭和の暮らしを垣間見られるインテリアにも注目です。

若尾文子は、清純派から色気のある大人の役までさまざまな役を演じています。
建築家の黒川紀章との対談で、「君はバロックのような人だ。」と称賛され、後に彼とは結婚しました。
それほどの整った顔立ちで、多くの人を魅了しています。
最近では、作品が次々にDVD化されているので、チェックしてみてください。

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メガネ使いが素敵な「あした晴れるか」の芦川いづみのキャリアウーマンファッション

続いてご紹介するのは、「あした晴れるか」の、芦川いづみのファッションです。

「あした晴れるか」は、1960年(昭和35年)公開の、モダニスト中平康監督による、コメディ映画です。
中平康監督の「狂った果実」は、ヌーヴェル・バーグの旗手である、フランソワ・トリュフォーや、ジャン=リュック・ゴダールにインスピレーションを与えたとも言われています。
それほどに斬新な作風で反響を呼びました。
日活の銀幕スターの石原裕次郎芦川いづみが主演です。

秋葉原のやっちゃ場(青果市場)に住んでいるカメラマンの耕平(石原裕次郎)は、大手写真メーカーから、「東京探検」というテーマの撮影を依頼されます。
そこに同行するのが、キャリアウーマンのみはる(芦川いづみ)です。
単純で熱い男の耕平と、理論派のみはるは正反対の性格で衝突ばかりしてしまいます。
しかし、みはるは、耕平の熱心な仕事ぶりに惹かれていくようになります。
事件に巻き込まれたりとすったもんだがありながら、写真展は無事に開催されます。

この作品は、スピード感あるモダン・コメディで、ハラハラしながらも終始引き込まれる作りとなっています。
東京中を車で疾走し、佃の渡しなど、もう今では観ることの出来ない、古き良き昭和30年代の風景を観ることが出来ます。
そして、なんといっても、芦川いづみの黒ぶち眼鏡とオデコ出しのパンツスタイルファッションがこの映画の見どころです。
「愛らしい。」のその一言に尽きます。

ターコイズブルーのパンツスーツ・白いシャツ
◆白いフリル付き開襟シャツ・ピンクのパンツ
◆茶系レトロ柄シャツ・茶色パンツ
◆紫色系のフェアアイルのウールのベルト付きカーディガン・クリーム色パンツ
◆ベージュ色のパンツスーツ・ベージュ色のボタンダウンシャツ・茶色のネクタイ・黒いバッグ

このように、一貫してパンツスタイルなのですが、時折垣間見える女性らしさが余計に引き立ちます。

芦川いづみは、白い花のような清純で親しみやすいイメージで、和製オードリー・ヘップバーンと呼ばれていました。
そして、幅広い役を演じ分けられる、日活の看板女優でした。
しかし、人気のさなか、1968年(昭和43年)に同じく日活の俳優の藤竜也と結婚し、女優を引退しました。
その潔さも素敵です。

黒ぶち眼鏡・オデコ出し・パンツスタイルの組み合わせは現代にも通用するおしゃれなスタイルですので、是非取り入れてみてください。

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小悪魔的な魅力のかわいさ!「月曜日のユカ」の加賀まりこのファッション

最後は、和製ブリジット・バルドーと絶賛されている、加賀まりこの代表作、「月曜日のユカ」のファッションをご紹介します。

「月曜日のユカ」は、1964年(昭和39年)公開の、「明日晴れるか」と同じ、中平康監督の作品です。
先ほど紹介した、カラーのコメディ作品とは対照的な、フランス映画のような雰囲気のあるモノクロ映画です。
この作品は今だに根強いファンが多く、加賀まりこの小悪魔的な魅力がぎゅっと詰まっています。

外国人が集まる、横浜のナイトクラブで人気の18歳のユカ(加賀まりこ)は、素直で明るい性格の女性です。
彼女なりの決め事を守りながら、パトロンであるパパ(加藤武)と、同世代のボーイフレンドの修(中尾彬)と付き合っています。
喜ばせることを信条としてきた彼女が、パパへの嫉妬や、修の求婚により、だんだん変化して行きます。
思いがけない展開の若さゆえの刹那的なストーリーが、観る者に強烈なインパクトを残します。

モノクロなので、衣装もシックな印象です。

◆チェックのセットアップ・白いタートル・ロングブーツ
◆メンズサイズのパジャマ
◆ワンショルダーの裾がファーになっているワンピース・ネックレス・ショール
◆丸襟の切り替えのあるワンピース
◆ニットワンピース
◆黒の上下の部屋着・舵がモチーフのペンダント

この映画での加賀まりこは、お人形さんが動いているのではないかと見紛うほどで、一瞬一瞬の表情が見逃せません。
自分でセットしたというルーズなアップヘアと、つけまつげがさらにおしゃれ度をアップさせています。
そして、相手役の中尾彬ですが、当時はまだ俳優として新人です。
ねじねじスカーフで有名なダンディーなおじさまの印象の現在とのギャップには驚かされます。

コケティッシュでキュートな加賀まりこの魅力は、現代の若者たちの間からも支持されています。
現在も活躍中の彼女の半生は、著書である自伝エッセイの「純情ババァになりました」(「とんがって本気」の改題)で知ることが出来ます。
この本では、六本木族と呼ばれた時代についても触れています。
情に厚く、勉強家で、さばさばとした性格が垣間見られる軽妙な文章はとても気持ちよく、手元に置いておきたくなる一冊になると思います。

いかがでしたでしょうか?
まだ鑑賞していないという方は、これらの作品に触れる機会を持っていただけたら幸いです。
そして、それぞれの特徴を持つ着こなしに、手持ちのアイテムでチャレンジしてみませんか。